司馬遼太郎著「胡蝶の夢」、この本は徳川政権の崩壊を、権力者では
なく蘭学という学問を学んだ若者たちの眼を通して、重層的に映し出し
た歴史長編ですが、第四巻始めに皮革に付いての記述があります。
主人公・松本良順…幕府若年寄・立花出雲守(種恭)…最後の将軍・
徳川慶喜…町医富士三哲・三河松助…穢多頭・弾左衛門……革に
まつわる、悲しい江戸の歴史に終止符を打とうとした人達。その中で
司馬さんは「人外の人だという、この世に存在しないもの、というふしぎ
な思考法があった。」また「いわれなく被差別者を創り出した上に、
いわれなく不浄とした。」とも云っています、機会が有れば是非読んで
いただきたい一冊です。 一部ですが、次回紹介したいと思います。
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